あとがき (青木国良)
私は今七十二歳に垂んとしている。ここに出てくる風景事情は半世紀前の兵の日の追憶でありこれを以って今の韓国を推し測ることは無理である。
現代の韓国は日本内地と同じく草葺の家屋から色とりどりのヵラフルな洋式建築に替りつつある。
一台のタイプが収容する活字は知れたものである、と言っ(かなでは意味の通じないものもあるので適当な当て字を以って間に合わせた、飯盒を飯合とし餘を余とし首吊を首釣とせるが如し。
初中終増減する当用漢字常用漢字にはこだわらないことにした、ましてやかな使いに至っては全く自我流であることを断っておく。
昭和五十六年十一月末日
青木国良
- 本籍
- 広島県三次市南畑敷町
- 現住所
- 大坂府富田林市神山町一